TechDiscoveryとは
TechDiscoveryは、入力されたデータと関連性が高い特許ファミリーのリストを素早く取得できるツールです。特定の技術分野の特許ランドスケープを簡単に調査したい場合や、お手持ちの事例と類似する特許を探したい場合などに、高い関連性を示す特許ファミリーのリストを速やかに取得し、必要に応じて、簡単に絞り込むことができます。検索部分をスキップして、必要なデータと分析に取り掛かれます。
検索を開始するにあたり、公報番号やファミリー番号、テキストを利用できます。テキストは、技術に関する簡単な記述、またはより長い技術情報(例:自社の未公開特許や競合他社の製品情報)に対応しています。また、公報番号とテキストを組み合わせて利用することもできます(可能な場合)。
このタイプの調査の目的は、技術や発明に関連する特許の集合を見つけることにあります。関連特許の集合は、分析に役立てられ、例えば、ある技術分野のキープレーヤーやトレンドなどを短時間で簡単に評価できます。
【留意点】TechDiscoveryは、例えばランドスケープレポートを作成する際に必要となる正確性や網羅性といった性質を持つClassifier(分類器)の代替となるものではありません。
TechDiscoveryの操作方法
ご利用ガイド
1) ランディングページにある'TechDiscovery'を選択します。
TechDiscoveryの初回ご利用時に、'Use privately(プライベートモード)'または'Keep search history(履歴保存モード)'を選択します。
- 'Use privately(プライベートモード)'では、検索履歴は保存されません。
- 'Keep search history(履歴保存モード)'では、アカウント内に保存された検索履歴にアクセスできます。
'Keep search history(履歴保存モード)'を選択した場合、'Pinned and Recent Searches(ピン留めされた検索と最近の検索)'はレポート履歴のように動作し、TechDiscoveryで最近検索した内容と保存した内容を確認することができます。
また、'Do not save searches(履歴を保存しない)'にチェックマークを入れ、特定の目的を持った検索履歴を保存しないという選択もできます。プライベートモードで検索された場合、履歴には表示されません。
2) 次に、検索条件を入力します(複数入力可):
- 公報番号またはFamily ID
- 技術名(例:ノイズキャンセリングヘッドホン)
- 文章(例:公報の要約や発明の詳細な説明の一部分)
条件タイプごとに、新しい行を使用してください。
検索条件は、類似特許を見つけるための基礎となります。以下の例では、2つの公報番号と技術名'ノイズキャンセリングヘッドホン'を入力します。
3) 'Search'をクリックします。デフォルトでは、検索条件に類似する1,000件の特許ファミリーのリストを生成します。各特許ファミリーには、0~100のシミラリティー・スコアが付与され、スコアの高い順(降順)に表示されます。
4) また、例えば、検索に文章を追加したい場合(あるいは、文章の検索に技術名を追加したい場合など)、後から追加することができます。'add more text(テキスト追加)'をクリックします。
検索に文章を追加することで、検索を調整することができます。
以下の例では、検索する技術に関連する既存の特許ファミリーから引用したテキストを追加します。
追加後は、'Apply and update(適用&更新)'をクリックします。
5) 次に、類似特許ファミリーのリストから、入力した検索条件に最も関連すると思われる特許ファミリーを、プラスアイコン(Relevant)をクリックして選択します。プラスアイコンを使用すると、より適切な特許ファミリーを検索することができます。また、マイナスアイコン(Irrelevant)をクリックして、検索結果に関連性のない特許ファミリーを取り除くことが可能です。さらに、後で確認する特許ファミリーには、ブックマークアイコン(Review Later)を使って、ラベル付けすることもできます。
Family IDをクリックすると、特許ファミリーの詳細画面に移行します。
画面左側は特許ファミリーの一覧で、任意の特許ファミリーのレビューに役立ちます。
Actionsからそのままラベル付け(Relevant/Irrelevant/Review later)が可能です。
個別に特許ファミリーの詳細を参照する場合は、ポップアップアイコン(赤枠)をクリックします(新しいタブが開きます)。
【ヒント】虫眼鏡のついたフォルダアイコンをクリックすると、その特許ファミリーに類似する特許ファミリーが新たに検索されます(新しいタブが開きます)。
- 検索結果の上部にあるフィルターバーを使用すると、任意のキーワードで絞り込めます。
- フィルターバーの右横にあるインフォメーションアイコンをクリックすると、ブーリアン検索ガイドにアクセスできます。
フィルタリング機能を活用することで、例えば、関連度の高い(プラス)または関連度の低い(マイナス)特許ファミリーの選択に役立てられます。
6) 'Apply and update(適用&更新)'をクリックすると、プラス・マイナスを追加したデータに基づいて特許ファミリーリストが更新されます。このプロセスを何度か繰り返すことで、より関連性の高い結果を生成できます。
7) 画面下部に、'Create report(レポート作成)'があります。レポートを作成することで、類似特許ファミリーのデータからインサイトを得ることができます(例:ある技術分野に関連するキープレーヤーや出願動向のレビュー)。
8) 'Create report(レポート作成)'の他、特許ファミリーのリストの'export(エクスポート)'オプションもあります。'export(エクスポート)'には、次のタイプがあります:
ダウンロード(CSVファイルまたはExcelファイル)
各種データ(最初の出願国や公開日など)を確認する場合や特許ファミリーのリストを他の人と共有する場合、他のプラットフォームにインポートする場合など、検索結果をダウンロードすることができます。
リストからレポートを作成('Start report from list')
類似特許ファミリーのリストをカスタムレポートに取り込み、他のデータと組み合わせることや、技術のグルーピングオプション(例:分類器)を選択することなどができます。TechDiscoveryで作成したレポートは、report history(レポート履歴)から確認できます。
リストのクラスタリング('Cluster this list')
このオプションでは、類似特許ファミリーリストから新しいレポートを自動的に生成します。結果はクラスタ化されます。
リストからUTTレポートを作成('Build UTT report from list')
このオプションでは、類似特許ファミリーリストからUniversal Technology Taxonomy(UTT)を使用して結果がグループ化され、新しいレポートが自動的に生成されます。このオプションを利用するには、アカウントでUTTが有効になっている必要があります。
Family IDをクリップボードにコピー('Copy family IDs to clipboard')
特許ファミリーIDをクリップボードにコピーすることで、例えば、アップロードレポートに貼り付けることができます。
9) TechDiscoveryへの初回アクセス時に、'Keep search history(履歴保存モード)'または'search privately(プライベートモード)'を選択します。'Keep search history(履歴保存モード)'を選択した場合、'Pinned and Recent Searches(ピン留めされた検索と最近の検索)'から、直近の検索と保存されたTechDiscoveryの検索をプラットフォームから確認することができます。すべての検索は30日間保存され、検索を「ピン留め」すると、検索は保持されます。
10) 環境設定を変更する際は、画面右上の三点リーダーからSettingsにアクセスしてください。
TechDiscoveryの仕組み
Classificationは、Universal Technology Taxonomy (“UTT”)で過去 2 年間にわたり試行・実証された非常に洗練された独自の特許言語アルゴリズムを使用しています。通常、他のシステムよりも高度かつ他の類似検索ツールよりも優れた結果を提供します。
類似検索は、まず、全ての特許ファミリーをベクトル化することから始まります(各特許ファミリーに固有の指紋を生成するイメージ)。 その後、各特許ファミリーは、そのベクトル(フィンガープリント)を他と比較し、最も近いベクトル(特許ファミリー)を特定し、選択したサイズ(100件~5万件)の結果を返します。 TechDiscoveryのディープラーニングモデル(「アルゴリズム」)は特許の言語タスクのために特別に設計されており、特許の全文(発明の名称、要約、請求項、発明の詳細な説明)を使用して、個々の特許ファミリーのベクトルを生成します。TechDiscoveryは、技術名や簡潔な説明文など非常に少ない情報が入力された場合、情報のベクトル化(またはフィンガープリンティング)を支援するために、生成AIを使用します。
TechDiscoveryとセマンティック検索の相違点
セマンティック検索・ブーリアン検索との主な違いは以下のとおりです:
- より良い検索結果(より関連性の高い結果が検索できる、より多くの結果を得られる)
- 公報番号に基づいた検索が可能
- 文章の利用が可能
- 特許テキストに特化した検索を実施
- 複数の入力(公報番号、文章、技術名など)を1件の検索として実施
TechDiscoveryの活用法
TechDiscoveryは、ある技術分野を素早く理解したい場合や、お手元の情報が非常に限られている場合に役立ちます。特定の製品や類似品について理解を深めたい場合や、先行技術調査を行う場合などで役に立つ可能性を秘めています。TechDiscoveryは、探索や発見に非常に役立ち、短時間で有益な結果を得ることができ、Classifier(分類器)は、より正確な結果を提供します。再現性があり、かつ、網羅的であるため、ランドスケープレポートの作成に最適です。TechDiscoveryは、特定の技術範囲を捉えるClassifier(分類器)を構築するか決定する前に、技術分野に関する調査を行うことができます。
【留意点】 分類器はより正確で、一度構築されるとユーザーのアカウントに保存され、レポート作成やチーム間で繰り返し使用することができます。
TechDiscoveryに関するご質問は、カスタマーサクセスチームまでお問い合わせください。